PARTsolutions導入の最適なタイミングは?
3Dデータが溜まる前にこそPARTsolutions:これが最も低コストでパーツマネジメントを実現できるケース
弊社「PARTsolutions」の形状検索にご興味を持っていただいたお客様で時々ある話です。
3D CADをこれから導入するというお客様で、いろいろ商談を進めた結果「3Dデータが(それほど)無いので効果が見出せない、溜まってからまた検討する」という形で見送りとなってしまうケースです。
しかし、実は3D CAD導入開始時こそ、PARTsolutionsを導入するメリットを最大現享受できるタイミングであると考えます。
3Dデータが溜まる前にPARTsolutionsを導入するメリット
1.初めから将来発生するコストを防ぐことができる
新規パーツの発生によるコストは、産業に依存しますが1点当たり数万円から自動車で40~50万円、ここには記載されていませんが航空機になると100~300万円となります。
3Dデータ管理を検討せずまたは後回しにして運用を開始すると、間違いなく重複パーツは発生します。日頃打ち合わせ等の資料でWordやPowerpoint等で資料を作成することは多いかと思いますが、貴社ファイルサーバーでそれらのファイルがどうなっているかを考えれば自ずとイメージはつくかと思います。
重複パーツとは既存のパーツを流用できたにも関わらず同等の機能を持つパーツを新規に設計・作成してしまうことです。したがって重複パーツの数だけ上記コストが発生し、それらは基本的に無駄なコストとなります。PARTsolutionsで管理すれば他のシステムには無いユニークな検索技術により、重複パーツ発見の確率は大幅にアップします。それによりこのコストを未然に防ぐことができます。
下記は図はドイツStarlinger & Co. GmbHのコスト削減例です。2011年導入で新規部品発生が抑制されていますが、2011年以前に発生したコストを取り戻せるわけではありません。もし3D運用開始直後から導入していれば、ここでいう「2011年以前のコスト発生」も防ぐことができていたのではないか、ということです。
実はこの点は情報の検索という観点でも同じことが言えます。
今更言うまでもありませんが、3Dデータは2D図面より多くの情報を含みます。そのためパーツ流用だけでなく、情報そのものの流用価値も2Dと比較して高いといえます。例えば「設計中にある問題が発生、似たような課題を他の設計者がどういう設計を行い解決したか知りたいので、過去の類似部品の3Dデータを参考にしたい」といったケースはないでしょうか。その場合類似部品を簡単に検索できれば要求する情報にすばやくたどり着き、工数の削減になります。情報が探せない不十分な管理システムでは、
「情報探し(=検索)に時間がかかる → やがて探さなくなる → 探すより作る(=データの再構築、構成検討)ほうが簡単」
と悪循環に陥り、結果無駄な工数が発生します。 以下のグラフはエンジニアの平均勤続年数40年とした場合の、労務の内訳です。
「検索」「構成検討」「データ再構築」は原則価値を生まない非建設的活動ですが、実はそれらにエンジニア人生の70%を費やしてしまっているという実態です。「建設的なアクティビティ」とは、新製品のアイディア創出や設計、生産等貴社が企業価値を高めるための本来の業務のことです。
弊社PARTsolutionsのミッションの一つは、ここでいう「非建設的活動」にかかる工数をシステムの力で削減し、相対的に「建設的なアクティビティ」を増加させ、革新的な製品を生み出すための時間を多く確保して、企業価値をより高めようということです。
2.すでに発生したパーツの管理を検討しなくてもよい
現時点では3Dデータが数万~数十万点とある程度の規模で溜まっているというお客様から「データが増えすぎて困る、探せないで困る」というきっかけでご導入されるケースが最も多いです。しかしこの場合必ず付きまとうのが「既存の3Dデータをどうするか?」という課題です。
イニシャル作業として、数万点をPARTsolutionsの管理下にするだけでも多くの時間や労力がかかりますし、既存データ群は所謂「カオス」な状態であるため「ファイル名が重複・ソリッドが空・コンポーネントのリンクが切れてアセンブリが正しくロードできない、不正なデータでCADで開くとエラーとなる」等……。その他予期せぬエラーも含め、こうしたエラーはどのお客様でも見つかっています。そしてその対策にまた時間と労力を要します。運用開始までの課題として大きくのしかかることになります。
3D導入直後ならば、
- こうしたことに頭を悩ませないで済むため検討のための貴社労務費が削減される
- 弊社にお支払いいただくPARTsolutions導入のためのコストも抑制できる
- より短期間で新システムによる運用を開始することができる
と多くのメリットがあります。
3.既存の運用を変えることで発生する様々な影響を排除できる
少々耳の痛い話をします。
すでに流れている3D設計運用にPARTsolutionsを追加するということは、少なからず既存の運用を変更するということになります。その場合、例えば以下のような社内工数が発生することが通常です。
- 新しい運用ルールの策定
- 関係他部門へのネゴシエーション
- ベテランのエンジニアの説得
弊社の所感ですが、特に既存運用に長く携わっているベテランエンジニアほど変化を嫌う傾向が見られます。しかし彼らは通常社内影響力もあるため、彼らの協力なしに事を進めるのは難しいといえます。
それでも「新しい変化」が100%受けいれられればまだよいですが、もしそうでない場合(50か60程度しか受け入れられなかった場合)、最大限にコスト削減できるあるべき姿が歪められ、思うような効率化やコスト削減効果が得られず、最終的には無駄な投資になってしまうということも考えられます。
これから3D設計を導入というお客様においては、2Dから3Dへの変化という意味では上記と同じ状況かもしれませんが、現在では2Dから3Dへの流れには抵抗するエンジニアは少ないでしょう。
- 2D → 3D → 新3D(+PARTsolutions)
- 2D → 新3D (+PARTsolutions)
つまり「2D → 3D」のときの労力は、PARTsolutionsのあり/なしに関わらず発生することになります。ならば後はどちらの道が楽か?です。
「データが溜まってから考える」は上の道をたどることになります。上の道をたどることの相対的なデメリットはこれまで多く述べてきました。逆に下の道は「データが溜まっていない」3D開始時のときしか選ぶことができません。
サマリ
3D設計をこれから始めるというときこそ、PARTsolutions導入のベストなタイミングです。
1.初めから将来発生するコストを防ぐことができる
⇒一度発生したコストは取り戻せません。
2.すでに発生したパーツの管理を検討しなくてもよい
⇒大量の既存データの扱いに悩む必要はありません。
3.既存の運用を変えることで発生する様々な影響を排除できる
⇒社内政治も非建設的活動です。
もちろん、3D設計歴が長いお客様でも今後発生するコストを削減できるメリットがありますが、上記3点のメリットはまさに「3D設計開始時」にPARTsolutionsの導入を決意されたお客様のみが得ることができる特典といえます。
参考情報
「PARTsolutionsとは何か?」を1ページにまとめた概要です。プロジェクトの進め方も記してありますのでまずはこちらを参照ください。
所謂カタログです。リンクはPDFとなります。
インテリジェントな検索機能をはじめ、PARTsolutionsの詳細をご紹介するコンテンツです。
どんな些細なことでも結構です。またはEメール「info@cadenas.co.jp」までお問い合わせください。