シーメンス、CADENAS の 3Dfindit.com の部品ライブラリを Capital ソフトウェアに統合
E/E システム開発に必要なメーカー検証済み部品データがワンクリックで入手可能に
ドイツ CADENAS GmbH は9 月 14 日、シーメンスの電気/電子 (E/E) 設計用ソフトウェア Capital 向けの CAD コンポーネントを入手するための、まったく新しいビジュアル検索エンジンをシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア社が導入したことを発表しました。この検索エンジンは 3Dfindit.com として知られ、エンジニアが設計に必要な部品をより迅速に検索・調達できるよう、CADENAS GmbH が構築・開発したものです。この新しいツールは、メーカーの部品データとインテリジェントな部品情報を、操作しやすい1つの構造に統合して提供します。さらに、Phoenix Contact、Weidmüller、WAGO、HARTING といったメーカーが、豊富な製品データを顧客に提供し、必要なデジタル機能を備えた製品がより頻繁に指定されるようにする機会として、このツールを利用しています。
時間のかかる調査や手作業による部品作成がイノベーションの障壁に
自動車や航空宇宙システムの開発において、電気・電子部品の割合が増えるにつれ、部品の検索・試験・調達が新たな課題となっています。調査によると、今日の自動車のイノベーションの 90% もが、エレクトロニクスとソフトウェアの領域で生み出されています。シーメンスの Siemens Xcelerator ポートフォリオは、Capital ソフトウェアを含むデジタルトランスフォーメーション向けのソフトウェアツールを単一のプラットフォーム上に統合しています。この戦略の重要な要素は、電気システムの設計・製造・サービスをカバーするとともに、今日のスマート製品を効率的にエンジニアリングするための E/E システムおよびソフトウェア・アーキテクチャを包含するインテリジェントな部品データを提供することです。
以前は、シーメンスの Capital ソフトウェアのユーザーは、必要な電気データを入手するために、部品メーカーや部品販売代理店のウェブサイトを参照し、ライブラリ部品や記号を手作業で作成する必要がありました。異なるベンダーの異なる部品を比較したい場合にも、個々のウェブサイトやデータシートを参照する必要がありました。このように、手作業で部品や記号を作成・管理することは、膨大な時間と労力を必要としていました。
「Capital ソフトウェアや Solid Edge® ソフトウェアなどを含むシーメンスの E/E システム開発ツール群が提供する高度な自動化をさらに推進するためには、高品質の電気部品データが必要です。それが、シーメンスがインテリジェント CAD カタログとデジタルツインのエキスパートである CADENAS と提携した理由です」と、シーメンスデジタルインダストリーソフトウェア 社のシニアプロダクトマーケティングマネージャー、Glenn Reynholds 氏は述べます。「3Dfindit.com を Capital ソフトウェアに追加することで、ユーザーは管理・検索コストを削減して貴重な時間を節約することができ、その時間を創造的な製品の開発および市場投入までの時間の短縮に充てることができます」
追加機能により、E/E システム開発を強力にサポート
新たに組み込まれた 3Dfindit.com の部品ライブラリを使用することで、様々な有名国際ベンダーによる数千もの部品をすぐにインポートすることができ、エンジニアの手作業を大幅に軽減することができます。設計に携わるユーザーは、シーメンスの Capital ソフトウェア・ソリューションに新しい部品をシームレスにインポートし、ワンクリックで設計に追加することができます。
「エンジニアは約 27% の時間を部品を探すのに費やしています。当社は、この労力を大幅に削減するお手伝いをします」と、CADENAS GmbH のCEO、Jürgen Heimbach は説明します。「ユーザーが Capital の検索フィールドから検索を開始し、探しているものが見つからなかった場合、3Dfindit.com が起動して検索クエリがダイレクトに転送されます。パラメトリックテキスト検索に加え、形状検索、スケッチ検索、カラー検索など、多数の直感的な検索機能により、エンジニアは必要なサプライヤ部品を簡単に見つけることができます」 エンジニアは、デジタル部品の 3D プレビューにカーソルを合わせることで、各キャビティの電気的特性を確認・検索することができます。さらに、このツールは、選択した製品に類似した部品に加えて、適合する付属品の選択肢も提供します。
Capital ソフトウェアのライブラリに部品をインポートする際には、説明、キャビティ数や、コネクタシステムなどの複雑な電気部品定義(使用可能な端子/接点、サポートするワイヤーサイズなど)といった重要な属性も転送されます。
すぐにインポートできる何千もの部品に無料でアクセスできることに加え、3Dfindit.com はライブラリ部品とその記号の作成にかかる労力と時間を削減します。部品をインポートする際には、顧客の規格や慣習を考慮したマッピングの完全な制御が可能です。部品や記号のインポートをカスタマイズするため、編集が容易な構成ファイルが付属しています。また、組み込まれた部品ライブラリにより、類似部品間の比較も容易に行えます。
技術製品のベンダーとエンジニアを繋ぐ
CADENAS とシーメンスの緊密な連携は、電気部品メーカーにも機会をもたらします。「完璧な設計データを作るのは形状だけではありません。エンジニアは、検索する必要のない広範なメタデータを必要としています」と、Jürgen Heimbach は強調します。「ECLASS 規格に準拠した設計データを備えた製品を提供できることを知れば、メーカーはそれが顧客サービスに付加価値を与えることを理解するはずです。競争力を確保するためには、E/E 分野のベンダーにとって、コネクタなどの部品の製品データをプランニングソフトウェアでシームレスに利用できるようにすることが絶対条件となります。デジタルトランスフォーメーションは、すべてのステークホルダーが密接に連携して初めて成功するものであり、これを実現することが CADENAS のミッションです」
3Dfindit.com の部品ライブラリとメーカー認証部品データは、最新の Siemens Capital ソフトウェアをインストールするとデフォルトで利用可能です。
CADENAS GmbHについて
CADENAS は、戦略的部品管理と部品削減 (PARTsolutions) および電子 CAD 製品カタログ (eCATALOGsolutions) の分野におけるリーディング・ソフトウェア・メーカーです。カスタマイズされたソフトウェアソリューションにより、同社は部品メーカーとその製品を顧客と繋ぐ役割を担っています。1992 年以来、CADENAS (スペイン語でプロセスチェーンの意味) の社名は、世界 17 拠点で 380 名の従業員を擁し、成功・創造性・コンサルティング・プロセスの最適化を象徴しています。詳細については、ウェブサイト をご覧ください。
注:関連するシーメンスの商標一覧はこちらでご覧いただけます。